伊賀市議会 編

政調費は、報酬と別に調査研究に必要な経費の一部として充てるため、議員に支給している交付金。同市議会の場合、交付対象が個人で、金額は1人当たり月2万円(年24万円)となっている。
YOUでは収支報告書や視察報告書などの資料を情報公開請求で入手し、行政のチェック機関である議会が政調費をどのように使ったか調べた。同市議会から届いた資料枚数は382枚。政調費は大切な税金が基になっているので、じっくり目を通した。
使った割合を示す執行率でみると、12年度は54.3%と前年度より28.1ポイントも減っていた。残額は任期4年で最も多い計284万4853円で、全て市に返還した。
大きな要因は3月の改選。出馬予定の議員が選挙活動に割く時間が増え、従来の年より政務調査に充てられなかったとみられる。
使途項目で最も支出額が多かったのは調査旅費の160万9530円。資料作成費44万4335円は約98%がインターネット利用料だった。残りはコピー機のトナー代。
ネット利用は13人が請求。11人が議員自身で私的利用分を3分の1(1万7675円)から5分の4(6万6289円)で按分した。
事務機器の購入などを含む事務費は、全体で27万1965万円。主な例はファクス(販売価格1万3440円)の買い替えや、按分で3分の1を請求しデジタルカメラ(同1万9800円)、折りたたみ式文字入力機器(同1万2600円)の購入が各1件あった。
2番目に多かった研究研修費75万6860円では11人が請求した。興味深いのは、同市議会内の一部で“当たり前”になっている旅費の日当に対する議員判断だ。
公明党の3人と会派に所属していない稲森稔尚議員(29)が研修会の参加費に昼食代が含まれているケースで、按分で半額だけ請求した。参加した研修会はいずれも自治体の人材育成を行っている「全国市町村国際文化研修所」(大津市)の主催。
理由について公明党の近森正利議員(46)は「収支報告書をまとめる際に議会事務局に相談し、4年前から同じようにしている」。稲森議員は「全額なら二重取りになると思うから」と話した。また、日本共産党の2人は別の研修会参加で日当分を請求から外した。
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「第二の議員報酬」と指摘されることもある政調費。使い道や手続き、透明性などは同じ地域に暮らす一般市民との感覚や常識からずれていないか。次回は名張市議会についての検証を掲載する。