米国在住女性に聞く〈前編〉
本紙ライター・坪田多佳子
医療保険にがん予防プログラム
海外でも展開するピンクリボン運動。他国の人たちと話すと、日本とは違った事情も垣間見え、考え方のヒントになることにも出会う。今回は米国に住む友人、ローレル・ピーターソンさん=写真=との会話を紹介する。(L=ローレルさん、私=坪田)
私 4年前に乳がんの話をしたのを覚えてる?
L もちろん。その時あなたが「日本では検診受診率が低い」と言ったのが信じられなかったわ。ここでは受けるのが当たり前だから。
私 ローレルは毎年受けてるんでしょ?
L 私の医療保険にはがん予防のプログラムがあるの。それを使って毎年無料で受けてる。
私 日本とは保険のシステムが違うようだけど、その予防プログラムというのはいいね。
L あと、毎年婦人科検診も受けていて、医師に「乳がんのセルフチェックしてる?」と毎回聞かれる。それに関するリーフレットもくれるよ。
私 万全の体制ね。でも米国では乳がん検診の対象年齢や受け方を巡って色々な意見があると聞いたけど。
L そうなのよ。40歳から受けるのがいい、いや50歳まで待つべきだとかね。受ける間隔についてもそう。論争になってるけど結局のところ、自分には何が適しているかよね。主治医と相談しながら自分で考えるのが大事じゃないかな。
◇◇◇
がん検診受診率が8割を超える米国は、ピンクリボン発祥の国。啓発活動にもさまざまな工夫が凝らされているようだ。その詳細については次回に。
ローレル・ピーターソンさん(53) 2012年、筆者が他国の女性たちと対談した本誌記事の中で「米国人女性」として登場。大学院生時代、プロジェクトを組んだ友人が、研究発表寸前に乳がんで亡くなる。一人で臨んだプレゼンテーションや、学位取得が適わなかった彼女のことを思い返しているという。。
「伊賀タウン情報YOU 2016年3月後半(672)号」より