【田村さん】

宝石・眼鏡店社長 田村禎規さん(81)

 祖父の丑松さん、父の昌包さんから受け継いだ、111年続く三重県名張市東町の時計・宝石・眼鏡店「田村」の3代目。現在は4代目継承者の長男・宜也さんとともに事業に当たり、「時代のニーズに合わせ、新しいことを採り入れていきたい」と意気込む。

 家業を継ぐため、修業先の大阪で眼鏡、宝飾品について学び、3年間の研修を経て名張へ戻った。昌包さんとともに、それまで事業の中心だった時計以外に、眼鏡や宝飾品、補聴器なども取り扱い始め、市内の大型店に出店するなど顧客を増やしていった。1991年に株式会社化し、代表取締役に就任した。

 好景気のころは「自分だけの宝石を」と求める女性客らが多く、大型量販店内に出店するなど規模を拡大。現在は名張市で本店を含む3店舗、伊賀市で1店舗を運営する。

 例えばリングを選ぶ場合、「金額の幅、素材、母親の立て爪の指輪のリフォームなど、さまざまな選択肢の一つとして、常にお客さまに寄り添った提案をさせて頂く」といい、「地域に密着し、アフターケアも含めて信頼・信用を得られるよう長きにわたり努めてきた」。

 若いころはゴルフやボウリングも楽しみ、3年ほど前には大病を克服した。「健康のため、食事は野菜から食べ始めるよう気をつけている」という。「今後は、健康をキーワードにした商品も取り扱い、身近にある店としてちょっとした困りごとを聞きつつ、更に次の100年を目指したい」とにこやかに語った。

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