生徒の大半が三重県の伊賀地域から通う「山添村立奈良県立山辺高校山添分校」の本校化と存続を求める住民団体が、1月から署名活動を始めた。2月20日まで賛同者を募っている。

 山添分校の前身は波多野高等公民学校で、1949年に現在の校名に改められた。今年で創立から77年目を迎える。4年制の昼間定時制で農業科と家政科があり、定員は1学年30人。生徒数は2024年5月1日現在で32人。そのうち伊賀・名張両市の中学出身が約8割超の27人を占め、地元中学出身の生徒が1人在籍している。山添分校が今年度実施した体験入学に24人、学校見学に8人の計32人が参加した。

 住民団体のメンバーは村議6人ら計8人で、1月27日に伊賀市役所で記者会見を開き、経緯などを説明した。山添分校は設置者が村、管理者が県となっており、16年に文部科学省から県教育委員会を通じて学校教育法で定める設置者管理主義の原則に反していると指導があった。住民団体では奈良県立山辺高校から独立した村立高校の設置を村側に訴えている。

 同村では23年5月、野村栄作村長の諮問機関「山添分校の在り方検討委員会」が発足。同年9月に「村立の定時制高校として本校化を」との答申をまとめた。住民団体によると、署名の賛同者は1月27日現在で約500人近く集まっているといい、3月の村議会定例会までに提出する予定。メンバーでOBの永谷義博さん(77)は「約1100人いる卒業生らにも賛同を呼び掛けていく」と話している。

 問い合わせは三宅正行さん(090・3670・0988)へ。

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