【菊岡さん(左)に折り紙の花束とメッセージ入りの色紙を手渡す児童ら(やまぞえ小提供)】

 「たくさんの経験ができてうれしい」「長い間教えてくれてありがとう」。奈良県山添村立やまぞえ小学校(堺隆宏校長、86人)の児童が昨年末、「ふるさと学習」で田植えや稲刈りなどの体験活動に22年間力を貸した山添村広代の農業、菊岡薫さん(81)に、感謝のメッセージと折り紙で作った花束を届けた。

 同小によると、菊岡さんは村内に5校あった小学校のうち3校が統合した2002年度以降、所有する田の一角を学校田として提供し、毎年全校児童が田植えと稲刈りの作業を体験してきた。稲刈りまでの間の世話も菊岡さんが自ら行ってきたが、高齢のため23年度を最後に後任へ引き継いだという。

 今回は、村教委から菊岡さんへ感謝状が贈られることになった際、高学年の児童から「感謝の気持ちを伝えたい」と声が上がったのがきっかけだった。4年生以上の有志15人が10月中旬から、休み時間などを利用して水色の折り紙を少しずつ折って花束を作り、色紙にしたためるメッセージも自分たちで考えて完成させたそうだ。

 自宅を訪問した児童代表から色紙と花束を受け取った菊岡さんは「先生方や祖父母の皆さんにもお手伝いを頂き、上級生になると低学年の子に教えられるくらい成長してくれた。将来、仕事に就いたら自分の道を一生懸命進んでいってほしい」と話していた。

2025年1月25日付884号2面から

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