【リンゴドクガ】

 「こんな“黄金の毛虫”は初めて見た」。11月下旬のある日、三重県名張市すずらん台西1番町の松岡幸春さん(76)方の庭木に、体が明るい黄色の毛に覆われた5センチほどのガの幼虫が現れた。松岡さんは「年末年始に何か良いことがあれば」とほほ笑む。

 奈良県の橿原市昆虫館によれば、この幼虫は「リンゴドクガ」というガの一種で、日本各地でみられる。名前と違って毒を持たず、成虫の体は白くふわふわした毛で覆われている。幼虫は背部に黒い模様、尾部に赤い毛の束があるのが特徴で、愛好家の間では可愛い毛虫の一つとして知られているという。

 幼虫が止まっていたピラカンサの木は、松岡さんが約40年前に高知県から移住する際に持ってきたもの。2年に1度は小さな赤い実が鈴なりになるが、今年は散在する程度だったため、枝に止まる幼虫が目につきやすかったとみられる。

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