「2年に1度の個展は、作り手の生きざまを表現する場であり、常に新しいものへのチャレンジ。自分が『焼き物が好きかどうか』を問い直していく場だと思っている」。三重県伊賀市丸柱の陶芸家、小島憲二さん(71)の個展が、12月6日から11日まで名張市新田の堤側庵ギャラリーで開かれる。入場無料。
愛知県出身で、備前の小西陶藏氏に師事。伊賀の窯業会社で作家活動も兼ねながら勤務し、独立した1979年に丸柱で窯を開いた。沖縄では30年以上、毎年展示会を開いており、「天然の素材を使う伊賀焼は、人の手で作っても自然の美を感じられる。そういう魅力が沖縄の人たちに伝わったのでは」と分析する。
小島さんは今年、県内の文化振興に貢献し、活動や功績が優れた個人や団体を表彰する「第23回三重県文化賞」で文化功労賞(美術・陶芸)を受賞。「暮らしや住まいが変われば、器も変わっていく。『今』という場所に立ち、伝統を守りつつ新しみを加えていくものづくりができたら」と思いを新たにする。
個展に向けては、11月中旬に穴窯に火を入れ、約100時間かけて焼き上げた。粘土の質感を生かした器、独特な割れ方を楽しむ花入れなど約50点を展示予定で、小島さんは「思いがけない色に仕上がったものもあった。少しでも新作を発表し、会場で見るのが楽しみになるような展示にしたい」と話した。
時間は午前11時から午後6時まで。
問い合わせは同ギャラリー(0595・65・3002)へ。
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