三重県の名張市立病院で2024年度、退職したり退職の意向を示したりしている看護師が計約30人に上る見通しであることが11月28日、わかった。人手不足が深刻で、病床数を制限せざるを得ない状況だという。
この日、医療関係者や市民団体の代表者らでつくる改革検討委員会で、同病院は経営強化プランの23年度の取り組み実績を報告。病床稼働率が計画値を3・9ポイント下回る71・2%だったことに関して同病院は、看護師不足のために本来200床の病床を146床まで制限していることを明らかにし、状況は現在も続いていると説明した。
同病院によると、200床を全て稼働するためにはフルタイム換算で186人の看護師が必要だが、現在はパートや時短勤務の50人を含めて169人だという。
看護師の退職者は23年度が約20人だったが、24年度は更に増加する。同病院看護部によると、業務の多忙さによる疲労や大阪の医療機関との競合が影響している他、来年10月に控える地方独立行政法人化による勤務環境の変化への不安も要因の一つだという。
同病院は、看護師の処遇改善や就学資金の拡充などの取り組みを報告。看護助手の採用数も増やし、負担軽減を図っている。新法人では、柔軟な勤務時間を選択できる仕組みも検討しているという。
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