三重県名張市教育委員会は11月20日、記者会見を開き、同日朝に市立名張小学校(丸之内)で小学6年生の男子児童が校庭のシーソーなどに催涙スプレーを噴射し、近くにいた他の児童7人が救急搬送された事案について説明した。
同市教委によると、男子児童はこの日、父親が1年前にインターネットで購入し、かばんに入れていた催涙スプレーを無断で自宅から学校に持参。午前8時ごろに友人の5年生児童に見せて話をする中で「におってみな」などと言いながらシーソーや教室の引き戸などに噴射した。男子児童や友人の5年生児童には症状が出なかったが、その後、知らずにシーソーで遊んだり、教室の引き戸に触ったりした他の児童9人が目の痛みなどを訴え、うち4年生の男女3人と6年の女児1人が救急搬送された。
同校の廣岡茂斉校長によると、男子児童が使った催涙スプレーのボトルは「USA」や「PEPPAR」などと全て英語で書かれていた。男子児童が催涙スプレーだと認識していなかった可能性もあるという。
救急搬送された7人は全員、軽傷と診断された。6人は治療後に授業に復帰し、1人はアレルギーがあるため大事を取って自宅で静養したという。
今後の対応について、西山嘉一教育長は「人権があるので持ち物検査は差し控えたいが、児童が不要物を持ってこないよう保護者へ啓発したい」と話した。
市教委は同日夜に学校で緊急保護者説明会を開き、保護者へ経緯を説明する。スクールカウンセラーの派遣も県教委に要請しており、21日以降に子どもたちの心のケアを進める。
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