【たいまつを先頭に行列を組んで宇流冨志禰神社へ向かう裃姿の住民ら=名張市上本町で】

 三重県名張市平尾の宇流冨志禰神社の秋祭りが10月26日、宵宮祭を迎えた。今年も裃(かみしも)姿の住民たちが行列を組み、同神社までの旧市街地を練り歩いた。

 名張藤堂家の初代・高吉(1579-1670)が年に一度、領民に武士の格好を許したのが始まりとされ、400年近い歴史がある。

 行列は、「町講」「平尾講」「南出講」「北出講」の4つの講から成る。裃を着て耳に刀に見立てた箸を一本さした住民たちが、たいまつと年頭子(ねんどこ)と呼ばれる子どもを先頭に「ねんど、ねんど、わーい」の掛け声をあげてお旅所(新町)から同神社まで約1キロを歩いた。

 同神社では各講が作った大きなたいまつが勢いよく炎を上げ、南町神事講獅子神楽保存会が舞を奉納した。境内は多くの参拝者でにぎわった。

 初めて見物に訪れた市の国際交流員、フルグリーナス・ザビエルさん(28)=ニュージーランド出身=は「名張の大切な祭りなので、絶対に来たかった。昔の姿の行列がめちゃかっこよく、獅子舞は動きが速くシャープだった。明日は私もみこしを担ぐので楽しみ」と話した。

大きな4つのたいまつが燃える境内で奉納された獅子神楽=名張市平尾で

 27日は本祭を迎える。神社のみこしや各町の太鼓台、だんじりなどが旧市街地を練り歩き、午後1時ごろにイオン名張店駐車場(元町)に集結後、再び各町へと戻っていく。

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