今年で開設10周年を迎えた三重県伊賀市上野福居町のギャラリー「アートスペースいが」で、10、11月に4つの記念企画が開かれる。オーナーの寺村貴視子さんは「私自身の書の師匠や、伊賀にゆかりのある画家・書家の方々の作品をこの機会にご覧頂けたら」と来場を呼び掛けている。
10月10日までは「浅野弥衛生誕110年展」を開催。鈴鹿市出身の浅野氏は、画面をくぎなどで引っかく技法が特徴の、モノクロームな抽象画で知られ、同ギャラリーでは9年ぶりの展示となる。7日休館。
12日から「芭蕉の句を書く」
同12から17日は、芭蕉生誕380年協賛事業の「芭蕉の句を書く 仮名書展」。同市出身の上窪恵泉氏、廣部翠鳳氏と、2人にゆかりのあるかな書家の永平巳旺子さん、葛輪啓子さん、襟立玉英さん、山本高邨さんの4人が、芭蕉の句や文章をしたためた作品が並ぶ。
書の心や伝統伝えたい
上窪氏に長年師事してきた葛輪さん(78)(同市緑ケ丘本町)は「先生に頂いてきた恩を返し続けるとともに、先生の書の心、かな書道という日本の美しい伝統を一人でも多くの方に伝えていけるよう、書家として日々自分を磨いていけたら」と思いを語った。
時間はいずれも午前11時から午後6時(最終日は同4時)まで。入場無料。
また、10月19から27日には「おかえりなさい古川タク展」、11月1から10日には、寺村さんの師匠で、筑波大名誉教授などを務めた書家・今井凌雪氏の「生誕102年展」を開く。
寺村さんは「10周年の機会に、書道界の重鎮であり私の師である今井さんの作品展を開催することができ、うれしく思う。一人でも多くの方にご覧頂けたら」と話した。
問い合わせは同ギャラリー(0595・22・0522)まで。
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