【収穫したブドウを手にする(左から)雪岡さん、妻の美代子さん、理道さん=名張市青蓮寺で】

 日本野菜ソムリエ協会主催の品評会「第1回全国ぶどう選手権」で、三重県名張市青蓮寺の「ファーム雪岡」が生産した「伊賀乙女」が最高金賞を獲得した。同ファームを営む雪岡道和さん(65)、理道さん(35)親子が9月26日、喜びを語った。

「伊賀乙女」(ファーム雪岡提供)

 品評会は同18日に名古屋市内で開かれ、名産地の長野や岡山、山形など全国各地から26品がエントリー。商品名や生産地、生産者などの情報は伏せ、評価員の野菜ソムリエ31人が味わいを審査した。

 最高賞を獲得した伊賀乙女は、「安芸クイーン」という品種の伊賀地域でのブランド名で、巨峰を自家受粉して生まれた赤色系の巨大粒品種。甘みが強く、食味が良いのが特徴とされている。

 同ファームは伊賀乙女を種有りで栽培しており、評価員からは「かなりジューシー。なめらかでしっとり上品な味わい」「甘みとほんのり感じる酸味のバランスが良く、かじった瞬間、華やかな香りが鼻から抜けた」など高い評価を得た。

 同ファームは雪岡さんの父で初代の故・武夫さんが創業。巨峰やデラウェアなど観光ぶどう狩りの分も含め、12品種を年間計約2万5000房生産している。2018年には、奈良県内の語学学校で働いていた長男の理道さんが就農し、3代目を継承した。

 最高賞について、雪岡さんは「種無しで皮ごと食べられるブドウが選ばれる風潮がある中、元来のブドウが選ばれたことが一番うれしい」、理道さんは「伊賀乙女はお客さんが一番おいしいとおっしゃるブドウ。毎年買いに来られるお客さまのためにも、これからも頑張って作りたい」と話した。

 同ファームではさまざまな品種のブドウを直売所などで販売している。伊賀乙女は今年、8月中旬以降に800から900房を販売し、9月上旬に完売した。

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