特殊詐欺被害を未然に防いだとして、三重県警名張署は9月11日、名張市桔梗が丘1の百五銀行桔梗が丘支店と支店長代理の浦田敏寿さん(43)、パート行員の尾﨑由美子さん(53)に署長感謝状を贈った。
同署などによると8月28日午前10時30分ごろ、市内の80代男性が1人で来店し「定期預金を解約したい」と窓口で話した。定期預金は200万円ほどで、対応した尾﨑さんと浦田さんが理由を尋ねたところ、男性は「東京中央警察署から電話が掛かってきて、お金を下すように言われた」などと話した。
浦田さんがスマートフォンで「東京中央警察署」を検索したが実在せず、同様の詐欺事件を報じるネットニュースがヒット。詐欺の可能性が高いと判断し、支店長の津村哲也さん(51)が名張署に通報した。男性は銀行の後に証券会社にも行くよう指示されていたという。
男性の固定電話には数日前から毎日、警察官や検事を名乗る複数の人物から電話があり、「捕まえた薬物売買の犯人の資金洗浄に口座が使われている。あなたも容疑者。お金を奪われないように全て下ろしておいて」などと指示され、男性は信じ込んでいたという。
嶋田敏署長から感謝状を受け取った尾﨑さんは「お客さまの預金を守ることができて良かった」、浦田さんは「大きい金額の場合は使途を聞くようにしている。時には大きい声で怒られてしまうこともあるが、めげずに確認していた結果だと思う」と話した。
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