三重県伊賀市議会の6月定例月会議の本会議が27日開かれ、一般会計補正予算案など17議案を可決し、請願1件を採択した。補正予算案では、市内外の子育て世代への施策PRを目的に、著名人を起用して全国紙への広告掲載やSNS発信を行う事業費約4663万円などを削除する修正発議が賛成多数で可決された。
ふるさと応援基金からの繰り入れや企業負担金を財源とする同事業費は、3月の市議会本会議に当初予算として計上されたが、費用対効果が明らかでないなどの理由で削除され、岡本栄市長が即時再議を申し入れたが、賛否に変更は無かった。同事業費は今会議に再提案され、審議した予算常任委員長からは「効果やターゲットなどが不透明で、前回の指摘からの改善がみられず、認められない。補正予算から削除すべき」との報告があった。
この日の本会議では、補正予算の修正発議について賛成2人、反対3人が討論に立ち、「市のホームページ自体が充実すればおのずと来てくれる。政策の充実が先」「効果について納得できる説明が無い」「賛同頂いている企業も前向きで協力的。タイミングや効果としては今ではないか」「市内外の子育て世代に伝わると思う」などの意見が出た。採決の結果、修正発議は賛成13、反対7となり、同事業に関する項目を削除して修正議決された。
同事業費が再度削除となったことについて、岡本市長は本会議終了後の囲み取材で「当市を巡る現状や、市内の事業所が抱える課題をしっかり認識されていない方が多く、とても残念。訪問した9つの企業とは認識も共通で、『行政と一緒に』という期待も頂いていた。(2回目の)再議は申し出ないが、今回の件は各企業へ説明に回らせて頂き、折をみて再びお諮りしたい」と述べた。
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