「若いころは時間もなく打ち込めなかったことが、今できているのが幸せ」。三重県伊賀市希望ヶ丘東の杉本弘さん(66)は、仕事で身に着けた木工技術を生かし、20年ほど前から取り組んでいたアコースティックギターの簡単なリペアやメンテナンスができる工房を今春、自宅に開設した。
高校時代、米のフォークデュオ「サイモン&ガーファンクル」の音楽が好きになり、友人とユニットを組んで演奏を楽しむようになった。社会人になっても変わらずファンであり続け、来日した際はコンサートに足を運び、ファン仲間との交流も重ねてきた。
木工の技術は、40代のころ勤務していた住宅設備販売会社で習得した。「電動工具の使い方やちょっとした大工仕事がギターの改造や手直しに役立つ」と手応えを感じた。仕事が一段落したのを機に、満を持してガレージを改装し、リペアギターなどを販売する工房を構えた。
修理不能でも飾り棚に変身
ギターや材料は、付き合いのある松阪市のショップから仕入れたり、リサイクル店で手頃なものを買い求めたりしている。中には修理不可能なものもあるそうだが、そんな時はギター型の飾り棚に変身させるという。
「T&J」と付けた工房名は、同デュオがアマチュア時代に使用していたユニット「トム&ジェリー」から連想したもの。杉本さんは「音楽好きな方に気楽に立ち寄ってもらい、ギターの事や音楽談義を楽しめたら」と呼び掛けた。
工房は不定休だが、週3日ほど営業しているという。
問い合わせは杉本さん(090・1821・4314)まで。
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