三重県名張市の平和教育の推進に向けた新プロジェクト「なばりピースメッセンジャー」の第1回学習会が5月27日、市役所で開かれた。市内の中学校の代表生徒計10人が参加し、学びを深める約半年間の活動をスタートさせた。
戦争体験者が高齢化する中、子どもたちに平和について学習してもらい、校内外に発信してもらおうと市が企画した。この日、市立中学5校から立候補や推薦で選ばれた生徒が各2人集まり、西山嘉一教育長から委嘱状を受け取った。
初回は市立図書館の山口浩司館長が「名張にもあった戦争」をテーマに講演。太平洋戦争中に米軍爆撃機B29が同市青蓮寺の山中に墜落した出来事や、市立蔵持小学校への機銃掃射で被弾したピアノなどについて紹介した。
学習会の中で、生徒たちは市教委の担当者から戦争について思うことを聞かれ、「やめた方が良いが簡単にはなくならない」「外国では今も戦争があるので、深く知って考えたい」「どのように食い違って起きるのか、考えなければならない」などと話していた。
生徒たちは被爆体験者の講話を聴くなど計5回の学習会に参加した後、12月に開かれる市の人権週間記念行事「ふれ愛コンサート」で学んだことを発表する。
- Advertisement -