きっかけは孫の笑顔のため――。三重県名張市美旗町中3番の中田勝之さん(72)は2年ほど前から市内の工房を借りて木工を楽しみ、アクセサリーやオブジェなどを地元のイベントに出品している。
自宅で趣味程度に木工をしていた6年ほど前、小学校に入学した孫のためにランドセル置きを作ってあげたことがあった。「カラフルですごい。うれしい」と、1枚の板から作れて喜んでもらえるうれしさを味わった。
最近は材料にコクタンやシタン、カリンといった堅い木を使うことが多いそうで、図案を下描きした木を糸のこぎりなどで切り抜き、ペンダントやブローチ、厚さ1ミリ以下のしおり、こいのぼりのオブジェなどに仕上げる。中でも、数センチの魚や動物がピアノ線でゆったりと揺れるモビール(吊るし飾り)は癒やしになると評判だ。
細かい図案は木目を考えて下描きをし、細い箇所を切り落とさないよう注意する。仕上げは丁寧にやすりをかけ、木の風合いを生かすよう心掛けているそうで、「作るのが難しいものほど完成の喜びは大きい。これからも作品の幅を広げて作り続けたい」と話した。
中田さんは5月19日に名張市蔵持町里の武道交流館いきいきで開かれる「手づくり市『名張のいがコミ!』」に「木工房KATU」の屋号で出店予定。時間は午前10時から午後4時まで。
2024年5月11日付867号10面から
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