地域の健康に貢献　保健室・喫茶室開設　伊賀市の医師・山﨑さん

　地域の健康に貢献できるカフェ併設の居場所づくりを目指す姿をYOU851号（2023年9月9日付）で紹介した三重県伊賀市上之庄の医師、山﨑直美さんが同所に念願の「暮らしの保健室・喫茶室」を開設した。

　泌尿器科専門医、在宅診療医である山﨑さんは、2年半前、結婚を機に同市へ転居。「高齢化率は高いが、在宅診療普及の低い地元のために何かできないか」と所有する空き家を活用した居場所づくりを考え始めたのがきっかけだ。

　市や社会福祉協議会とも連携を取りながら、昨秋、知り合いの医療従事者とともに会社を設立。今年2月には空き家の内装工事に着工した。水回りや配電などはプロに任せたものの、古材を使ったDIYでテーブルや床を貼り替えたり、家族や職場の仲間の協力を得て、仕事終わりや休日に作業した。

　使えるところはそのまま生かし、個別の相談室も設けるなど、「懐かしさもある、ゆっくりしてもらえる空間」が3月末に完成した。

　地域のつながりやコミュニティーの力で孤独や孤立問題への「社会的処方」の取り組みを目指し、今後はイベントなどの開催も考えているそうだ。「気楽にどなたでも来てください」と山﨑さん。

　30センチ四方の有料箱のオーナーを募集し、シェア型図書館の運営も開始予定だ。本をきっかけにした人々の交流拠点の空間になればという。

　健康や悩み相談ができ、医療従事者が常駐する同保健室・喫茶室は、午前10時から午後4時まで、木曜を中心に月8回ほどの開業を予定しており、日程はインスタグラム（@kurashi_ina2023）で発信している。