三重県名張市美旗町池の台の安部雅美さん(66)が描く抽象画を3か月間月替わりで紹介する作品展が、北伊勢上野信用金庫西原支店(同市西原町)で、5月31日まで開かれている。見学自由。
保育士として働いていた安部さんは22歳の時、絵画を習い始めた。結婚を機に中断していたが、50歳くらいの時、恩師に再会したことから「本格的に習い、絵を描きたい」と創作意欲が再燃したという。
安部さんが描く上で目指しているのは「子どもの作品」。子どもたちに接していた時、自由な表現や想像力に圧倒されたからだそう。「原始美術に通じるのではないかと思う」と語る。頭に浮かんだ構想を基に、ランダムに切った色画用紙を張った下絵にアクリル絵の具でアレンジしながら描く。
鮮やかな色彩を使用し、三角や四角という「エッジの効いた形」で立体感や遠近感を表現する。色構成とフォルムを大切にしているのだという。2011年の美術文化協会公募展に初入選したのを始め、その後の関西美術文化協会展で大阪市長賞を受賞するなど評価も得ている。
3月から始まった作品展では、100号サイズなど同協会展に出展した作品など10点が並び、4月の展示テーマは「幻鳥シリーズ“春夏秋冬”」だ。
再び活動を始めたころは家族の介護とも重なり「とてもしんどく忙しい時期だったが、創作に夢中になることで、何もかも忘れることができ、絵が救ってくれた」と振り返る安部さん。「今も介護が続いているが、私が描くのは元気が出る絵。地元では初の個展なので、ぜひ見てもらいたい」と笑顔を向けた。
時間は平日午前9時から午後3時まで。
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