温かみのある色 柔らかな筆遣い
画家の石川勉さん(88)
28歳の時に仕事の関係で大阪から三重県名張市へ移り、会社員として55歳の定年後も77歳まで勤めた。現在も三重洋画協会や名張市美術作家協会に籍を置き、各地で絵画講師を務めるなど多忙な毎日を過ごしているが、本格的に始めたのは57歳のころだった。
名張市美術展を見に行ったのを機に、小学生のころから楽しんで描いていたこともあり、同市の絵画サークルに入会。60代は大阪市で開かれていたカルチャースクールに通い、故・元永定正さんから抽象表現などの手ほどきを受けたこともあったそうだ。伊賀・名張両市の美術展ではともに今年から無鑑査となった。
水彩、油彩、アクリルなどさまざまな画材を使った、温かみのある色と柔らかな筆遣いが特徴で、石川さんの優しさが絵に表れるように、見る人の心を和ませる。ジャンルは抽象から具象、半具象まで幅広く、能登半島地震後の現場を描いた作品や、ロシア・ウクライナの戦争に思いをはせて描いたヒマワリと麦畑など、人の気持ちに寄り添った作風も特徴だ。
講師としても、伊賀地域のサークルや高齢者施設などへ出向き、暗い色調にならないようアドバイスをしたり、習う人の個性を生かしのびのびと描けるよう声を掛けたりもしている。「絵画はライフワーク。これからも絵の仲間たちと楽しく語らい、描き続けたい」と語った。
40、50代のころは地域の「名張壮年走ろう会」に所属して近隣の駅伝大会に出場。今も2日に1回は市内のジムに通い、体力づくりを怠らない。
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