地域課長 池田敏郎
例年、春の行楽期には三重県内の山々に多くの方が登山に訪れます。2023年中、県内の山岳遭難の発生件数は57件、遭難者数は69人で、そのうち7人の方が尊い命を失っています。春の行楽期(3月下旬から5月中旬まで)における山岳遭難の発生件数は13件、遭難者数は14人(うち死者1人)で、年間遭難件数の約23%がこの時期に発生しています。そこで、安全に登山を楽しんで頂くため、次の3点に注意してください。
1点目は「安全な登山計画の作成」です。気象条件や体力、技術、経験などに見合った山を選択し、余裕ある登山日程、携行する装備、食料に配意するなど、安全な登山計画を作成してください。また、遭難防止のために落石や滑落などのおそれがある危険箇所やトラブル発生時の下山ルートを把握しておいてください。なお、単独登山はトラブル発生時の対処が困難のため、経験豊富で信頼できるリーダーを中心にパーティーを組んだ登山に努めてください。
2点目は「装備品の準備」です。山の天候や形状などに応じた服装、登山靴、リュックサック、レインウェア、ヘッドライト、簡易テント、コンパスなどの装備品の他、あめなどの行動食や遭難などに備えた非常食、携帯電話とモバイルバッテリーを準備するなど、装備を万全に整えてください。また、携帯電話に登山用アプリをインストールしておくと、登山地図から現在地が確認できます。
3点目は「登山届の作成・提出」です。遭難時の捜索・救助の手掛かりになる他、登山計画に不備が無いか確認できます。作成した登山届は、家族や職場の同僚、同行者などと共有し、登山ポストに投函、または登山する山を管轄する警察署へ提出してください。登山届は、三重県警察のウェブサイトや登山用アプリなどから提出できます。
各種準備を万全に整え、安全で楽しい登山を心掛けましょう。