【作った人形を紹介する岡崎さん=伊賀市で】

 羊毛などの天然素材を使った「ウォルドルフ人形」を作る三重県伊賀市別府の岡崎芙紗さん(40)。2年前に「お人形のアトリエ 点と線」の屋号で自宅近くに教室を開き、和気あいあいと創作に励んでいる。

 ウォルドルフ人形は、ドイツ発祥のシュタイナー教育の思想を背景にした手作り人形。小さな目や口の素朴な表情が特徴で、遊びを通して子どもの想像力を養うことに効果があるとされる。

 約10年前から子ども服などを手作りしていた岡崎さんは、3人の娘が通っていた、シュタイナー教育を採り入れている名張市の幼稚園で、人形作りに興味を持った。その後は奈良の講師のもとで4年間学び、自身も講師の資格を取得した。

 人形は羊毛に布をかぶせて作った体のパーツをつなぎ合わせて完成させる。髪は毛糸で結って遊べるように。衣装は子どもが着なくなった思い出の服を、人形用に仕立て直すこともある。子どもの成長に合わせて人形の大きさや素材を変えるそうで、「破れてもすぐに直せるので、長く遊んでもらえる」という。

 現在は幅広い年代の6人が月2回、談笑しながら教室で作業をしている。子育て世代以外にも「孫へのプレゼントに作りたい」という教室生もおり、子どもが完成した人形で遊ぶ写真が送られてくることも。

 岡崎さんは「人形作りで子どもだけでなく、大人同士のつながりも広がる。より多くの人に手作りの楽しさを知ってもらいたい」と話していた。

2024年2月9日付861号10面から

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