【半紙に筆で文字を書く体験者=伊賀市上野丸之内で】

 「忍者屋敷」や忍者ショーで知られる三重県伊賀市上野丸之内の伊賀流忍者博物館で1月3日、「伊賀流忍法炙(あぶ)り書き初めの術」と題したワークショップが開かれ、訪れた観光客らが、半紙を火であぶると書いた文字が浮かび上がる不思議な体験をした。

 同博物館が不定期的に開いているワークショップの一つで、書き初めとしては初の試み。同博物館によれば、あぶり出しの手法は江戸初期の兵法書にも登場するそうで、かんきつ類の果汁など身近にある材料を使い、不特定多数に読まれてはいけない文書などをしたためていたのではないかと考えられているという。

文字が浮かび上がった半紙を手にする体験者=同

 今回のワークショップは、墨汁の代わりにオレンジジュースを筆に染み込ませて半紙3枚に好きな文字を書くところからスタート。乾かしてほとんど見えなくなった後に火であぶり、ジュースの糖分が焦げて茶色くなる仕組みで、岐阜県から家族で来館した小学2年生の男児は「令和」「辰」などの文字を書き、浮き出てくる文字を興味深そうに眺めていた。

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