【来年の干支「辰」の作品を手にする荒木さん】

編んで曲げて制作 いつかは人形劇も

 細い針金にカラフルな繊維がついた「モール」で作り上げた来年の干支「辰」。数ある作品の精巧さが評判を呼んでいる三重県名張市安部田の荒木丈二さん(37)は、介護の仕事に携わりながらモールアーティストとして活動している。

 幼いころから絵を描くのが好きで、生き物の絵をよく描いており、大学では造形芸術を学んだ。「絵では筋肉の感じが伝わらない」とワイヤーを使った作品を造っていたが、3、4年前、手芸や装飾に使われるカラフルなモールを知り、創作を始めた。

 作り方は我流。モデルとなる写真を参考に顔の形から作り始め、編んだり曲げたりして立体化していく。最初に造ったのは大好きなサメで、約1メートルの大きさだった。構造や骨格を調べ挑戦し、より実物に近いものを仕上げていった。

 作品は、伊賀地域や近隣のイベントにも出品。モチーフは恐竜やロボット、猫などさまざまで、大きさも数㌢のものから1メートル以上のものまである。赤目自然歴史博物館(赤目町長坂)の土産コーナーでは、荒木さんが造ったオオサンショウウオなどの作品が販売されており、観光客にも人気だという。

 これまでの作品は「蒼霧まこと」のハンドルネームでインスタグラム(@mako_to31)に紹介している。11月に伊賀市で開いた初個展も反響が良かったという。

 今後、更に活動の幅を広げたいという荒木さんは「発色の良い作品を作って人形劇もしたい」と抱負を語った。

2023年12月23日付858号1面から

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