三重県伊賀市は1日、市議会の12月定例月会議初日に退職手当約5・2億円を含む職員人件費など計7億4633万円追加の一般会計補正予算案や、施設廃止の条例改正案など28議案を提出した。うち職員給与の条例改正案など議案4件の採決があり、全会一致で可決した。一般質問は8、11、12日の3日間の予定で、会議の期間は同月22日まで。
補正予算11件を除く提出議案では、督促手数料を廃止するため、関係条例の制定を提案。債権管理業務の効率化や収納率向上が目的で、市税や介護保険料、水道料金など5つの条例を改正する。
収税課によると、手数料は1件80円。2022年度は5万184件あった。収入約323万円に対し、発行などの経費約430万円がかかったという。施行は来年4月予定。
施設関連では、利用者の減少や1980年代に整備した施設の老朽化が著しい体育施設の「青山テニスコート」(同市阿保)を来年3月末で廃止する。スポーツ振興課によると、3面あるハードコートのうち使用できるのは現在1面だけで、20年度から22年度の利用者数は年間118人から90人だった。
他には、図書館機能再編の一部先行実施で同市川合の「あやま文化センター」内にある分館の阿山図書室を計画より2年前倒しの来年3月末に廃止する。上野図書館によると、現施設は05年3月に開館。蔵書は約3万冊で、入館者は22年度4318人、21年度4095人だった。
地区コミュニティ施設を地域の集会施設として地元の治田区自治会に建物を無償譲渡するため、「治田ふれあいプラザ」も廃止する。延床面積は約360平方メートルで、供用を開始したのが08年4月。また、障害者福祉施設の「きらめき工房いが」(同市愛田)と「きらめき工房あおやま」(同阿保、「阿山ホームかざぐるま」を来年4月の民営化に向け廃止し、各建物は社会福祉法人洗心福祉会に無償譲渡する。