【活動への抱負を語る讃井さん=名張市役所で】

 三重県名張市の地域おこし協力隊「狩猟再興請負人」に着任した大阪市出身の讃井公隆さん(26)が10月31日、名張市役所で今後の活動への意気込みを語った。着任は1日付。

 讃井さんは遺伝子工学を学んでいた大学時代、ゼミでイノシシの解体現場を初めて訪問し、生き物に向き合う狩猟への興味を強くした。建築施工管理の仕事に就いた後も、2022年夏に宇陀・名張地域鳥獣害防止広域対策協議会の狩猟者育成プログラムに参加し、猟に同行するなどして理解を深め、同年11月には狩猟免許(第1種銃猟、わな猟)を取得。今夏、名張市が募集した協力隊に応募した。

 協力隊では、農作物に被害を及ぼす鹿やイノシシなど有害鳥獣の捕獲活動の他、利活用や加工品製作のノウハウを学び、狩猟ビジネスの実現に向け取り組む。任期は最長3年。

 讃井さんは「捕獲後の処理に困っているという話も聞く。まずは地域の方に認められ、3年後にはジビエの販売や狩猟体験のツアーなどもできたら」と意欲を語った。

 市によると、市内の有害鳥獣捕獲は地元猟友会(95人)の協力で行われているが、平均年齢は70歳ほどと高齢化が進んでいる。22年度の捕獲頭数はニホンジカ373頭、イノシシ55頭だが、多くは現場で地中に埋めて処分している状況だという。

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