俳聖松尾芭蕉の生誕地、三重県伊賀市で命日にあたる10月12日、77回目の芭蕉祭が開かれた。市と芭蕉翁顕彰会の共催で、上野公園(上野丸之内)内にある俳聖殿前の式典会場には招待された選者や献詠俳句の特選者、関係者ら約220人が出席した。
2020年からは新型コロナウイルス感染症の影響で式典の規模を縮小していたが、今年は一般観覧用に40席を設けた。式典では着物姿の市職員が殿内の芭蕉座像に生花や茶、菓子を献じた後、献詠俳句各部門の特選句が読み上げられ、岡本栄市長と顕彰会の岡島久司会長が特選句などを記した懸額を除幕した。
受賞者のあいさつでは、献詠俳句で特選の65人を代表し、東京都国分寺市の湯口昌彦さんが「日本では数百万の方が俳句を楽しんでいると思うが、それは全てこの伊賀の地に芭蕉翁がお生まれになり、育まれ、今日の俳句の世界があると考えている。芭蕉生誕の地に来させて頂けますことはこの上ない喜びです」と話した。
11月12日には同市柘植町の萬寿寺で「しぐれ忌」が行われる。
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