推理小説作家・江戸川乱歩(1894‐1965)の生誕地、三重県名張市を「ミステリアスなまち」としてPRしようと、名張商工会議所女性会がまちおこし事業「謎めし」を企画した。参加する市内の飲食店などが9月30日から順次、独自メニューの提供を始める。
6月にあった同会の勉強会で講師を務めた同市丸之内の結納品店主、小島敏孝さん(69)が、8年ほど前から温めてきた構想について説明。賛同した同会が、同商議所の食品商業部会とサービス部会の会員事業所に協力を呼び掛け、実現することになった。
同会が定義する「謎めし」とは「味は言うまでもなく、食材、調理法、由来、物語、名称、見た目、演出などで工夫し、驚きや感動をもたらすメニュー」。各店が提供する「謎めし」の詳細は実際に店舗を訪れないと分からず、「実際に食べた人も、他の人が楽しめるようSNSなどでの発信は控えてほしい」という。
9月29日現在の参加は6事業所(角田酒店、ココプレイス、TAKIGAWA赤目、精肉のオクダ、賛急屋、赤目山水園)の計7店舗で、参加店には怪人二十面相のイラストと「謎めし」「他言無用」の文字をあしらったタペストリーが掲出される。参加店は今後も増やしていくという。
近鉄名張駅西口前にある賛急屋では、牛肉と鶏肉を使った2種類のメニューを用意。「あっ」と驚くような、体験型の仕掛けが盛り込まれているそうだ。
同会の谷口美智代会長は「今年は乱歩の作家デビュー100周年、来年は生誕130周年、再来年は没後60年と、節目が3年間続く。謎めしを通じて、偉大なミステリー作家が生まれた名張のまちを盛り上げていきたい」と話した。
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