【田園地帯をゆったりと飛ぶコウノトリ=伊賀市上之庄で、8月31日午後3時30分ごろ撮影】

 木津川左岸に田園地帯が広がる三重県伊賀市上之庄で8月31日、国の特別天然記念物「コウノトリ」の幼鳥1羽が飛来し、休耕田やあぜ道などで餌を探したり羽を休めたりする姿が確認された。伊賀地域にコウノトリが飛来するのは3年連続。

 兵庫県立コウノトリの郷公園(豊岡市)、鳥取県の八頭町教育委員会などによると、この個体は今年5月12日に八頭町内でふ化した4羽のうちの1羽で、性別は雄。4羽のうち2羽は8月上旬に事故で死んでしまったという。8月17日まで八頭町内で目撃情報があった後、23日に岐阜県大垣市で、27日には兵庫県小野市で目撃されており、直線距離で約500キロを移動したことになる。

田のあぜ道で餌を探すコウノトリ=同

 YOU記者が31日午後3時ごろに目撃した場所から500メートルほど東に離れた同市笠部では、前日の30日朝、近所に住む夫婦が散歩途中にコウノトリ1羽を発見。目撃した夫婦は「シラサギなどよりも一回り大きく、近くにいたシラサギがずいぶん小さく見えた。まさかこんなところに飛んでくるとは」と驚いていた。

 日本野鳥の会三重などによると、伊賀地域では2021年9月上旬に名張市安部田に3羽、22年8月下旬にも伊賀市比自岐に3羽が飛来したことが確認されている。

※個体番号によるデータ検索=日本コウノトリの会や東京大学などによるモニタリングサイト「コウノトリ市民科学」(https://stork.diasjp.net/)より

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