三重県伊賀市は8月25日、13億6867万円を増額する一般会計補正予算を発表した。1日が初日の9月定例月会議に他の25議案と合わせて提出する。
補正予算の内容は、国の交付金を活用した物価高騰に対する追加対策の他、B&G財団の助成を原資に同市社会福祉協議会が実施する「子ども第三の居場所事業」の関連経費や、青山、大山田の2中学校の大規模改修工事の経費などが中心。
物価高騰対策は新型コロナ関連の交付金活用事業3件。生活困窮者支援団体に対する活動費補助として250万円(1団体で最大50万円)、私立の保育園、幼稚園など15施設に対する今年4月から9月の間に要した光熱費の一部支援534万円、肥料価格の上昇分のうち国県の支援措置に合わせた農業生産緊急支援事業補助金=約1315万円をそれぞれ盛り込んだ。
居場所事業は市社協所有の上野忍町にある既存施設を改修し、経済状況や家庭環境などに課題を抱える小中学生を対象に学習支援や基本的な生活習慣を身に着けるための支援をする。予算は開設経費への補助で5000万円。来年6月のオープンを予定する。
学校施設の大規模改修では、青山中が校舎の改修工事費と工事監理業務費の計約3億5603万円を年度内で支出が終わらないため繰越明許費として計上する。大山田中は工法や改修箇所の一部変更と見直しで約5083万円を増額した。
また、水道事業会計では、人工衛星の観測データを用いた漏水調査の業務委託料約942万円を盛り込んだ。上下水道部によると、2021年度末で市内の水道管は総延長1372キロ。老朽管の更新は年平均約4キロ。漏水が1年間に約300件発生しており、有収率は同年度末現在で同規模事業体の平均値よりも約10ポイント低い83・2%だという。
他の主な事業は次の通り。
▼「島ヶ原ふれあいの里」と「伊賀の国大山田温泉」を売却した収入の公共施設最適化基金に積み立て約1億3050万円
▼地方財政法に基づき2022年度の歳計余剰金の一部を財政調整基金に積み立て6億5660万円
▼島ヶ原地域で実証運行するデマンドバスで利用者予約の受付管理業務として同地域まちづくり協議会への委託料約70万円
▼12月に開所を予定する「岸宏子記念伊賀文学館」の指定管理料など約192万円
▼直接インターネットに接続できない環境の職員用パソコンで生成AIなどクラウドサービスが利用できるようセキュリティ対策をした上でサービス事業者のサーバーに接続するネットワークシステム管理経費約276万円