三重県伊賀市の大山田地域にある住民自治協議会3団体の会長らが8月10日、地元市役所を訪れ、大阪府内の事業者が同市下阿波で計画している産業廃棄物の最終処分場建設に反対する署名などを提出した。設置の許可を判断する県にも、9日に署名や要請書を提出している。
事業者は東大阪市に事務所を置く「伊賀環境サービス」で、過去にゴルフ場開発用地として取得した山林の一部に埋め立て容量が約25万1000立方メートルの安定型最終処分場を2026年1月から運営するとしている。県廃棄物対策課によると、関係条例に基づく事業計画書はまだ提出されていないという。
住民らは最終処分場建設に対し、土砂崩落など災害の危険性が増大することの他、計画地周辺の地下水や雨水が流れ込む河川の水質悪化、将来にわたる汚水や臭気の原因になる可能性を懸念。6月から7月にかけて実施した署名は同地域に住む約64%の3048人から集まり、建設予定地の阿波地区では約84%が反対した。
大山田地域住民自治協議会連絡会の代表者を務める奥千史さんは、建設予定地が市条例で指定した水源保護区域であることから「住民の声を聞いて対処してほしい」と訴え、岡本栄市長は「知事から意見を求められたら『あり得ない話だ』と申し上げたい」と答えた。請願書を受け取った近森正利議長は「住民の方の思いをしっかり受け止めました。議会でしっかり議論したい」と話した。
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