三重県名張市梅が丘南1の多機能介護施設「宴」前にある市道脇の歩道のコンクリートのわずかな隙間から、ミニトマトが生え、30センチほど茎を伸ばして4つの実をつけた。車が行き交う住宅街の道路の側でたくましく育つ姿に、施設を利用する高齢者らは“ど根性トマト”だと目を丸くして驚いた。
利用者の竹森ひろのさん(90)が7月中旬「何か生えているな」と気づき、成長を見守っていた。近くの郵便局員が同月下旬、実が成っているのに気づき、施設に教えてくれたという。
同施設では菜園で毎年、ミニトマトを育てている。しかし、“ど根性トマト”が生えた場所までは15メートルほどの距離がある。利用者らは「不思議やなあ」「水もやってないのに、よう育った」「私らも頑張らな」など口々に語り合っていた。
県中央農業改良普及センター(松阪市)によると、鳥などの野生動物が実をくわえて持って行ったものが落ちたり、実を食べた動物の排泄物に種子が残ったりして、施設の菜園から移った可能性が考えられるという。
2023年8月12日付849号2面から
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