【研修会で技術指導する福岡さん(中央)】

 多くの人が“小さな林業”に携わるきっかけに―。5月中旬の1週間、小規模で持続可能な「自伐型林業」への参入を目指す30代から50代の男女約10人が、三重県伊賀市内で開かれた研修会に参加し、木の形状や特徴をつかんで端材や丸太を角材に加工する工程などを実際に体験した。

 NPO法人「自伐型林業推進協会」(東京都)などによると、財産として受け継いだ山林の活用に頭を悩ませたり、購入した古民家の自力リフォームを考えたり、さまざまな理由はあるが、自伐型林業を目指す人は増加傾向にあり、全国40以上の地方自治体が自伐型林業への参入促進や支援に力を入れている。

 今回はチェーンソーの資格講習の後、奈良県内で実際に切り出した樹齢数十年のヒノキを福岡製材所(伊賀市中馬野)へ運び、代表の福岡政憲さんと長男の基樹さんが技術指導を担当。都心部で勤務するタクシー運転手の40代男性は、兼業を視野に入れて千葉県に移住したといい、「建築や製材のことを深く知れた。山のことも仕事にしていけたら」と話していた。

2023年7月15日付847号8面から

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