刑事課長 早咲侑
三重県警では6月、7月を薬物防止広報強化期間と定め、関係省庁や自治体と連携し、広報啓発活動を実施しているところです。伊賀署では日々、薬物乱用の根絶に向けて取り締まりを強化しており、昨年は覚醒剤、大麻などの違法薬物乱用者を3人検挙しています。
違法薬物は脳などの中枢神経に作用し、使用すると一時的に頭がさえる、神経が興奮して何をしても楽しいなどの感覚が得られることがあると言われています。「1回くらいなら大丈夫だろう」という好奇心や遊びのつもりでも、その強烈な依存性のため、止めたいと思っても自分一人では止めることができなくなってしまいます。
ですから、絶対に手を出してはいけません。
最近では、大麻や違法ドラッグに手を出す若者が増えてきています。大麻や違法ドラッグは、ゲートウェイドラッグと呼ばれ、インターネットなどで「大麻はそんなに危険ではない」「合法な国もあるから大丈夫」などといった根拠のない誤った情報から、軽い気持ちで手を出してしまった若者が、その高い依存性から抜け出せず、最終的には覚醒剤を始めとするより強い依存性や副作用のある極めて危険性が高い薬物の使用につながるおそれがあります。
特に近年、大麻や違法ドラッグに手を出す若者の低年齢化が顕著で、中には中学生もいます。
今の時期は日が長くなり、学生は夏休みを目前に控えている時期でもあることから、次第に気が大きくなっていく中でさまざまな誘惑がやってきます。
その中に大麻や違法ドラッグも含まれ、「皆やってるよ」「疲れがとれるよ」「危なくないから大丈夫」などといった甘い言葉に惑わされてはいけません。
一度薬物に手を出してしまえば、法律に違反するだけでなく、心身をも壊してしまい、身近にいる家族や友だちを悲しませてしまうということを考えて頂き、「薬物には絶対に手を出さない」という強い気持ちを持って頂きたいと思います。