自らの死後、社会貢献を目的に遺産を非営利団体などに託す「遺贈寄付」。三重県名張市桔梗が丘3の桔梗が丘松岡行政書士事務所は、寄付を必要とする伊賀地域の団体を紹介するガイドブックを7月中旬に初めて発行する予定だ。4月28日まで、掲載を希望する団体を募集している。
近年は少子高齢化の影響などで、身寄りのない高齢者が増加している。そのため財産を残して死亡した場合、相続人がおらず最終的に国庫に入ることになった財産も増えている。
遺贈寄付は、遺言に基づいて財産の一部をNPO法人や公益法人、自治体などに寄付する仕組みで、少額からでも可能。生前に贈り先や目的を定めておくことで「人生の集大成の社会貢献」ができるとして、注目が高まっている。一方、遺言書の作成などに専門的な知識を要することなどから、寄付が実現した例はまだ多くはないという。
同事務所代表で行政書士の松岡衣里さんは、遺贈寄付の支援を行う専門資格「承継寄付診断士1級」を1月に取得。寄付方法や伊賀地域の寄付先を紹介することで興味を持つ人を増やそうと、ガイドブックの発行を企画した。
ガイドブックは300冊を発行し、伊賀市と名張市から各3団体、計6団体を掲載する予定。団体の活動などを紹介する他、金額ごとの活用例も示す。掲載無料。
選択肢広げる
法人格を有する非営利団体が対象で、応募多数の場合は選考する。松岡さんは「遺贈寄付は、地域のお金を地域内で循環させることにつながる。身近な所にどんな団体があるかを紹介し、選択肢の幅を広げたい」と話す。
掲載申し込み、問い合わせは同事務所(0595・54・6222)まで。
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