京都市で開かれた和装コンテストの全国大会「なでしこ日本」(京都コレクション&エンターテイメント主催)で、三重県名張市の小学3年生、藤森麗さん(9)がリトルなでしこ小学生低学年の部でグランプリに輝いた。
日本の理想女性像「大和撫子」の発信をコンセプトに掲げる同大会は今回が5回目で、昨年12月に開催。「ミス」「ミセス」「キッズ」など7部門に全国から計約140人が参加した。リトルなでしこ部門ではウォーキングとスピーチを行い、立ち居振る舞いや言葉遣いなど厳しい審査を経て藤森さんが栄冠に輝いた。
「いろんな人に好かれる素敵な女性になってほしい」と願いを込め「麗(うるる)」と名付けられた藤森さん。祖母が市内で着付け教室を営んでいたこともあり、物心付いたころから着物が身近な存在だった。祭りなどに着物姿で出かけると、周囲から「奇麗ね」と褒められ、ますます楽しさを感じたという。
その様子を見た母の真実さん(36)が同コンテストへの参加を勧め、一昨年の冬に初挑戦。ところが壇上での仕草から表情まで細かく見られる審査は想像以上に厳しく、思うような評価を得られなかった。藤森さんは「来年は絶対にグランプリを獲る」とリベンジを誓った。
昨春に改めてエントリーし、コンテストに向けた練習を再開。京都に月2回通ってステージウォーキングやポージングを学んだ他、自宅ではスピーチに備えて玄関の全身鏡前で毎日姿勢を正し、「あめんぼあかいなあいうえお」などさまざまな発声練習を繰り返した。
レベルアップして迎えた再挑戦の舞台は、京都駅ビル内の高級ホテルの披露宴会場。居並ぶ20人以上の審査員と多くの観客の前で、マイクを手に「着物には普段おてんばな私でも、おしとやかになれる不思議な力があります。大好きな着物の魅力をいろんな人に伝えたいです」と語り、指先やあごの角度など細かなしぐさを意識しながら、笑顔を絶やさずランウェーを歩いた。
結果は堂々の1位。藤森さんは「めっちゃうれしかった。舞台に立ったら緊張もなくなって、練習の時よりも上手にできた」と振り返る。将来の夢については「ママみたいな素敵な女性になりたい」と話している。今後はインスタグラムアカウント(@urur.u___15)で、母親とともに和装の魅力を発信していくという。
2023年1月14日付835号1面から