総合格闘技引退も再起
「スピードが“売り”で、早いタックルが得意」。三重県名張市青蓮寺の会社員、川岡司さん(34)=松阪クラブ=が、10月下旬に埼玉県であったレスリングの「全国社会人オープン選手権」フリースタイル86キロ級で3位になり、12月22日から東京都で開かれる「天皇杯全日本選手権」への出場を決めた。
少年時代からプロレスや総合格闘技が好きで、進学した奈良県内の高校でレスリング部に入る。徐々に頭角を現し、2年時に県1位、最高では全国8位に入賞した。階級も3年間で60キロ級から66キロ級に上がった。
大学2年でプロの総合格闘家に転身したが、26歳で引退。地元で就職し、しばらくはレスリングや格闘技から遠ざかる生活が続いたという。
「1つでも上に」地元ジムから目指す頂点
2年前、プロの格闘家が名張市内にジムを開設したのを機に、健康維持のため、ジムで体を動かし始めた。「原点に帰ろう」と、今年4月からレスリングを再び始め、トレーニングに励んだ。
2009年に全国社会人大会でフリースタイル3位、グレコローマン2位という実績がある川岡さん。久しぶりに挑んだ今年の同大会でも「若い人相手に健闘でき、全盛期よりは劣るが、思っていたより動けた」と、スピードを武器に3位に輝いた。
全日本で勝てば五輪出場も見えてくるとされるが、「若い選手が強い世界なので、『思い出づくり』になれば」と謙遜する一方、「1つでも上に進めるように勝ちたい」と闘志を燃やしている。
レスリングの魅力は「道具が要らず、体も強くなり、礼儀も学べる」と語る川岡さんの更なる目標は「マスターズで頂点に立つこと」だ。
2022年12月10日付833号2、3面から
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