【万歳三唱する山中会長(前列中央)ら=伊賀市山畑で】

 11月30日にユネスコ無形文化遺産への登録が決まった「風流(ふりゅう)踊」の一つ、「勝手神社の神事踊」を伝承する三重県伊賀市山畑で12月4日、地元関係者ら約80人が集まり、登録を祝う記念式典が開かれた。

 午後3時から山畑農事集会所で開かれた式典では、最初に市内で伝承されている風流踊(神事踊、かんこ踊りなど)の記録映像が流され、無形文化遺産登録までの経過が説明された。くす玉割り、鏡開きに続き、最後に万歳三唱で喜び合った。

 式典の中で、「勝手神社神事踊保存会」の山中茂和会長は「江戸時代から続く踊りはさまざまな困難を乗り越えて現代に受け継がれてきた。目には優雅、耳にはノスタルジックな、私の一番愛する音と奇麗さ。これからもより一層長く続いていくことを願い、踊りを通して地域の振興につなげていきたい」とあいさつした。

 同神社の西口昌寛宮司は「地域全体で守ってきた伝統行事を世界の宝と認めて頂いた。皆が勇気づけられたと思う。引き続き継承していけたら」と話していた。

 「勝手神社の神事踊」は、胸に「カッコ」と呼ばれる太鼓を携えた「中踊り」や「歌出し」、大太鼓の「楽打ち」ら二十数人で行う。保存会の会員は山畑の住民で、毎年10月の第2日曜にある秋祭りで奉納されている。

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