日曜大工や趣味でさまざまな木工作品を生み出している、奈良県宇陀市榛原天満台東の山上保弘さん(74)は、素材の質感や模様などをそのまま利用して仕上げる作風が特徴だ。昨年の奈良県美術展覧会(県展)では木工作品「龍と鳳凰」で審査員奨励賞を受賞し、今年も入賞を目指して制作に励んでいる。
山上さんは幼いころから木工が好きで、当時流行していた船の模型や竹馬、ボールゲームなど作って遊んでいた。60歳で退職後は日曜大工が忙しくなり、孫が遊ぶための遊具を自宅の庭に作ったり、自身の部屋で使う棚や、庭の周りを囲う柵などを自作したりしてきた。
その傍ら取り組む趣味の作品は、知人やダムの管理事務所から譲り受けたポプラやケヤキなどの木材を活用。使う道具はチェーンソーやのこぎり、彫刻刀、のみなど多岐にわたる。ニスなどの塗料で光沢を出して仕上げ、ツルやイノシシの頭など、主に動物を題材に創作活動に打ち込んでいる。
誰に習ったわけでなく、独学で知識や技術を身に着けてきたという山上さんは「創作活動はアイデア勝負。今年も良い作品を作って入賞できれば」と抱負を語る。今年も県展に向け、既に新たな作品に取り掛かっているそうだ。
2022年6月25日付822号3面から
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