【太極拳の動作を紹介する萩原さん=名張市役所で】

 7月9、10日に東京都渋谷区の東京体育館で開かれる「第39回全日本武術太極拳選手権大会」(日本武術太極拳連盟主催)に、楊式太極拳種目の三重県代表選手として初出場する名張市桔梗が丘5番町の萩原清和さん(71)が4日、同市の北川裕之市長を表敬訪問し、意気込みを語った。

 萩原さんは20年ほど前に中国を旅行し、公園で太極拳に励む人々を目にした。90歳ぐらいの人もおり、ゆったりと片足を上げるなどしながら精神を集中させる姿を見て「いつかやってみたい」と憧れを抱いたという。61歳で定年退職後、市内の教室で本格的に始め、現在は津市の武道館に毎週通うなどして稽古に励んでいる。

 伸びやかでゆったりとした動作が特徴の太極拳は、健康法としても普及しているが、本来は相手の攻撃を受け流したり崩したりする武術。いくつか流派があり、楊式は伝統的な流派という。

 大会では1人4分以内で選択した型を見せ合い、美しさや正確さなどを競う。85ある動作の中から、萩原さんは23の動きを組み合わせて披露する。

 表演服と呼ばれる専用の服を着て市役所を訪れた萩原さんは、「初めのうちはなかなか技を覚えられなかったが、懸命に覚えた。母の介護もする中、太極拳は心の支えになった」と始めてからの約10年間を振り返った。大会については「まさか自分が出場できるとは。お世話になった人々に感謝し、精いっぱい楽しみたい」と語った。

- Advertisement -