名阪国道開通の翌年(1966年)に開業し、半世紀以上にわたって東西アクセスの中継点や観光客・ドライバーらの憩いの場として親しまれてきた名阪上野ドライブイン(三重県伊賀市大内)が、今年3月末で営業を終了し閉鎖されることが決まった。運営する三重交通グループホールディングスの三交興業(本社・亀山市、豊永久社長)が1月12日、公表した。
同社のリリース資料などによると、名阪国道大内インター北側に隣接する同ドライブインは、駐車場を含めた敷地面積が約1万6700平方メートル、建物は鉄筋コンクリート造2階建てで、延べ床面積は約4100平方メートル。伊勢神宮の式年遷宮を控えていた2012年3月、地場産品などを販売する「地産地消工房」を新設し、猫忍者のオリジナルマスコット「忍にゃん」も登場するなど、観光面を強く打ち出した「忍者ドライブイン」として大規模リニューアルした。
しかし、05年の新名神高速道路開通による交通量の減少や、大型観光バスによるツアー旅行の減少に加え、20年初頭からの新型コロナウイルス感染拡大の影響による団体客減少が決定打になったという。同社が運営するドライブインは最盛期には県内と滋賀県に計4か所あったが、4月以降は名阪関ドライブイン(亀山市)のみとなる。
地元住民やテナント関係者らによれば、新名神開通以前は、県内中南部から阪神甲子園球場(兵庫県)での高校野球大会に出場する学校が出た際、応援に駆け付ける保護者や住民らを乗せた観光バスが駐車場いっぱいに並んだのも真夏の風物詩だったといい、近年はバイクでツーリングを楽しむ人たちの休息場所としても週末を中心ににぎわっていた。
駐車場も含めた跡地については、土地の大半と建物を所有する三重交通が利用方法の検討を進めている。
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