【炎が上がる高さ18・6メートルのどんど=名張市美旗中村で】
三重県名張市美旗中村の農村公園で1月10日、伝統行事の「どんど焼き」があった。地元の保存会のメンバーら住民たちが竹やわらなどで作った高さ18・6メートルのどんどの内部に、正月飾りや前年のお札などを入れて燃やし、無病息災や五穀豊穣、新型コロナウイルス感染症の終息などを祈った。
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同地区のどんど焼きは300年以上続いているとされ、18年ほど前からは保存会が行事の継続を担っている。今年は8日に組み立てがあり、13本の青竹を縄で束ね、先端に馬型の正月飾りを取り付けて立ち上げ、根元に直径約3メートルの円錐状の空間を作り、わらの束やヒノキの葉で覆った。
この日は、早朝から住民ら約100人が集まった。地区で募集した標語の中から選ばれた「どんど焼きコロナ鎮める願いこめ」が記された垂れ幕が掲げられるなか、近くの寺の住職が法要を営み、祈りを捧げた。
火が入ると、晴れ渡る朝焼け空に白い煙がもくもくと昇った後、勢いよく炎が上がった。火が落ち着くと、住民らは持ち寄った餅を長さ約2メートルの竹棒の先に刺し、輪になって焼いた。どんどの火で餅を2つ焼いた近くに住む竹永幸子さん(73)は「仏さまに供えた後で頂きたい。今年は良い年になってほしい」と話していた。
子どものころから60年以上、同地区のどんどの行事に関わっているという保存会の髙波秀彦会長(69)は「今回はこれまでで一番背が高かった。今年こそコロナ禍が終息するよう願いたい」と話していた。
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