三重県伊賀市議会の森中秀哲市議(59)=草の根・無所属フォーラム=は1月6日、同市が競争入札を回避するため、意図的に分割発注した随意契約は違法行為に当たるとして、2021年度実施の工事4件を対象に住民監査請求を行った。
監査請求は同日に提出。請求によると、対象工事4件は見積もり合わせにより発注、契約した大土団地の73号修繕工事(工事費126万5000円)と74号修繕工事(124万3000円)の総額250万8000円、旧佐那具保育所のオイルタンク廃止工事(57万2000円)と浄化槽撤去工事(99万円)の総額156万2000円で、市は団地と保育所の工事で、それぞれ同一業者と契約した。
森中市議は「いずれも同一箇所、同種工事、近接した時期で実施している。一体的な工事契約が不可能だったとは言い難く、法令で定める競争性のある契約方法で発注、契約すべき案件だ」と指摘。岡本栄市長に対し、市が被った不適切な契約方法による損害の補てんに必要な措置を取るよう求めている。
市の会計規則で定める、随意契約が可能な工事は予定価格が130万円以下。市の随意契約ガイドラインには一般競争入札が原則で、任意に特定の相手方を選択し締結する随意契約を安易にするのは「厳に慎まなければならない」としている。随意契約が結べるケースとして、災害時など「緊急の必要で競争入札ができないとき」などを例示しているが、森中市議は「4件はどれにも当たらない」との見解を示した。
12月定例会の一般質問でも、森中市議はこの問題を取り上げており、4件の他に説明を求めた上野総合市民病院関連の工事4件については請求期間が1年以上経過していることから、「対象にできなかった」という。市の監査委員事務局によると、監査や勧告は請求があった翌日から60日以内であるとし、3月7日までに判断する。
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