水資源機構が三重県伊賀市川上などで建設している川上ダムで12月16日、最高水位まで水を貯めて安全性などを確認する「試験湛水」が始まった。1967年の予備調査開始から54年を経て、本格稼働に向けた最終段階を迎えた。
同ダム建設所によると、試験湛水では、満水になるまで水を貯めた後、放水して半分以下まで水位を下げる。堤体のひずみ、漏水量が基準値内に収まるかなどをチェックし、完了までには1年程度かかる。問題がなければ正式運用に向けて進み、供用開始は2023年4月を予定している。
この日は、工事関係者らが水没することになるダムの底に集まり、高さ84メートルの巨大な堤体下の左岸側にある仮排水路と呼ばれるトンネルのゲートの閉鎖作業を行った。クレーンでつり上げた縦横約5メートル、重さ約17トンの分厚い鉄製の板が静かに下ろされると、川の流れがせき止められ、少しずつ水がたまり始めた。
【関連記事】「川上ダム試験湛水16日開始へ 数か月かけ満水に 伊賀市」2021年10月7日付(https://www.iga-younet.co.jp/2021/12/10/48644/)
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