里山の保全活動に取り組む三重県名張市上三谷のNPO法人「赤目の里山を育てる会」は、薪ボイラーに接続した床暖房式発生室でアラゲキクラゲの栽培を開始した。間伐材を有効活用し、年間を通して安定的な生産を目指す。
同会は9年ほど前から、障害者の就労支援でシメジやキクラゲなどのキノコの生産を開始。地元の自治協議会とも連携して取り組んでおり、同会が生産するキノコは伊賀地域や松阪市、奈良県などの直産市場計24か所で販売している。
2019年には近くに湯気で室内を温める貯水槽式の発生室を造ったが、湿度が上がりすぎるなどしたため、より管理しやすく生産効率の良い床暖房式に改良した。ボイラーの熱で発生室の床下に巡らせた配管内の不凍液を温め、室温を20度以上に保つ。燃料はコナラやクヌギ、カシなどの間伐材を使用。ボイラーの熱はキクラゲ栽培の他、施設の風呂の湯などにも活用する。
同法人の伊井野雄二理事長(67)は「キクラゲはビタミンDが豊富で人気が高い。山から木を切り出す手間はあるが、薪を燃料にして栽培に生かすことは、持続可能な社会につながる。もっと広めていきたい」と話している。
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