女子サッカー・なでしこリーグ1部の伊賀FCくノ一三重は9月25日、本拠地の伊賀市小田町、上野運動公園競技場でオルカ鴨川FCを2-0で下し、3試合を残して通算3度目の優勝を決めた。大会は今季が33回目で、くノ一のリーグ制覇は22年ぶり。試合後のセレモニーでは、メダルを首にかけた選手がスタッフやチーム関係者と喜び合った。
00年に市民クラブに生まれ変わってから2部での優勝経験はあるが、1部では初めて。過去には大会の愛称が「L・リーグ」だった95年と99年に、前身の「プリマハムFCくノ一」が2度達成している。今季は3大会連続優勝を期待された地元開催の三重とこわか国体が中止となったが、目標にしていたタイトルの一つを獲得した。
無観客で実施されたオルカ戦は後半3分、MF杉田亜未が左サイドの角度のない場所から先制ゴールを決めると、同9分にはMF森仁美が追加点を奪い、守備でも5試合ぶりに無失点に抑えた。
試合後のインタビューで、主将のDF作間琴莉は「連敗しなかったことが大きかった」と優勝の要因を振り返り、杉田は「国体中止は残念だが、皆で目指してきたリーグ優勝は自信になるし、達成した意義は大きい。伊賀やくノ一のことを知ってもらうきっかけにもなる」と話した。
大嶽直人監督は「国体中止は三重を盛り上げるために準備してきたので残念だが、切り替えてリーグに集中した。選手は優勝に向け勝ち点や得点を意識してくれた。努力しているし、力も付いてきている」と結果を出したチームを称えた。
今季のなでしこ1部は、日本女子プロサッカーリーグ(WEリーグ)の発足によって、参入したチームに代わって2部などから9チームが昇格。3月末から計12チームが2回戦総当たりで対戦している。
次節は10月2日にあり、くノ一は大阪市のヨドコウ桜スタジアムでセレッソ大阪堺レディースと対戦する。