【ミニアルバムを出した山本さん(本人提供)】
「地元で超仕上げてきた。僕、都会に負けない」――。新曲で熱く叫ぶ、三重県名張市瀬古口出身のシンガーソングライター山本狼煙(本名・拓磨)さん(31)は4年前に地元を離れ、昨年から東京で音楽活動を本格化させた。今年1月リリースのミニアルバム「狼煙」の収録曲「都会」では、地元への感謝と活動への不退転の決意を歌い上げている。
ミュージシャンの長渕剛さんに影響を受け、小学2年生でギターを始めた。5年生の時に伊賀市内で初ライブを経験後、中学、高校では地域の同世代の若者たちとバンドを組み、音楽に明け暮れた。
卒業後は同市夏見の「ネクスト・ワン」のスタッフとして働く傍ら、23歳から関西を中心にソロ活動を展開。2017年には全国流通版のシングルCDを発売し、その勢いのまま、大手芸能事務所が運営する養成所のオーディションを通過し、上京した。
東京では、歌や演奏の技術などを改めて学んだ他、現在の楽曲作りを全面的に支えるプロデューサーとの出会いなど、人脈が広がった。
今回のミニアルバム作りは20年1月から本格化。コロナ禍が音楽業界に影響を及ぼす一方、普段は有名アーティストの曲作りで多忙なミュージシャンたちの予定に余裕が生まれ、実力あるサポートメンバーたちとじっくり時間をかけて作品を仕上げることができたという。
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リリース前に、活動上の名義は本名から心機一転、「始動」の意味を込めた「狼煙」に変更。大都市で戦う人の主題歌にと作詞作曲した「都会」では、初めて本格的なミュージックビデオを制作。さまざまな試練が降り注ぐ中、山本さんが眼力鋭く熱唱しながら砂浜を前進するワンカット映像は、動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開している。
「上京時に『負けるな』と送り出してくれた家族や地元の人の声が、今も心に残っている」という山本さんは「名張出身者として、都会で胸を張って全力で活動していきたい」と意気込みを語る。
楽曲は山本さんのホームページ(https://www.yamamotonoroshi.com/)から購入できる。ネクスト・ワン店内には、元同僚たちが作った応援コーナーが設けられている。