伊賀市は11月24日、市議会12月定例会に提出する5億9928万円増額の2020年度一般会計補正予算案を発表した。9月定例会で削除された旧市役所庁舎(上野丸之内)の利活用に向けた事業費は、同じ中心市街地エリアにある他の公有施設も対象に追加した内容に変更し、来年度の支出分としてあらかじめ確保する1908万円の債務負担行為として再提案する。【会見で補正予算の概要を説明する岡本市長=伊賀市四十九町で】
9月定例会では、旧市役所庁舎の市場調査結果を踏まえた最適手法を検討する今年度分の業務委託料521万円と、来年度支払い予定の債務負担行為1217万円の計1738万円を提案していた。今回は、成瀬平馬家屋敷跡(上野丸之内)に建設を計画する忍者体験施設や上野ふれあいプラザ(上野中町)も合わせた「にぎわい忍者回廊」として位置付け、エリア全体で実施効果をより上げるために民間活力導入支援業務委託経費として盛り込み、来年1月の契約を目指すとしている。
新型コロナウイルス感染症対策では、特別定額給付金の対象外だった今年4月28日から来年3月31日の間に出生した乳児のいる世帯への「忍にん赤ちゃん子育て応援特別給付金」に要する事業費5527万円を計上した。給付額は乳児1人につき10万円で、定例会初日(12月1日)に即日採決する。早ければ翌2日に、対象となる約350世帯へ申請書を送付し、同7日までの受付分を同18日に給付できる見通しだという。また、市内の医療機関で新型コロナの検査や判定に必要な体制整備に対する補助金1000万円も新規追加した。
岡本栄市長は旧市役所庁舎関連の補正予算について、11月24日の会見で「(9月議会では)僅差で認めて頂けなかった案件だが、中心市街地と旧郡部の連携は切実な課題。点から線、面へと、さまざまな可能性を実現していきたい。ご理解頂けると思う」と説明し、今後の事務の流れについては「部署縦割りではなく、プロジェクトとして立ち上げる必要がある」との見解を述べた。