身近な地域を記者が実際に歩いて巡る「てくてく歩記」。もうすぐ紅葉も見頃ですが、名所と呼ばれる所だけでなく、私たちの身近には秋らしい風景が広がっています。今回は、伊賀市南部の矢持地区などを巡る約7・3キロのコースです。(取材・山岡博輝)【山側から腰山集落を一望】

 10月中旬、記者は近鉄青山町駅から行政バスで25分ほどの山間部にある同市腰山へ。腰山バス停のある郵便局前を午前9時ごろにスタートしました。最初に急な石段の上にある飛龍神社と神向寺を訪れ、道中の無事を祈りました。

腰山の飛龍神社

 石組みや高い塀の上にある家が多く、県道に沿って流れる川上川は台風の影響でやや水量が多いようです。畑ではトウガラシやインゲン、ナスなどが育ち、獣除けフェンスには白い花を付けたユウガオが葉を伸ばしていました。

落ちて実が抜けた栗のイガがたくさん落ちていた

 集落が切れ、ここから種生までは人家はありません。草むらのチカラシバやススキには、まだ朝露が残り=左写真、小さめの柿が色付き始めています。川面に陽光が反射し、まぶしいほどの晴天ですが、気温も上がってきました。

腰山から種生への道中に実っていた柿

 視界が開けると種生の集落が見えてきましたが、進路はここから北東へ。辻には「右老川如来道」と読める石柱が立っています。今度は老川川に沿って坂を上り、若宮神社に立ち寄りました。向かいの青山文化センターの法面には「アオヤマ文化センター」と読める植え込みが見えました。

老川の民家軒先に咲くマリーゴールド

 先ほどの石柱にあった「老川如来」とは、老川集落の山手にある極楽寺の本尊(木造阿弥陀三尊像)のことだそう。県道へ下りる道には大きな栗のイガがたくさん転がっていました。

諸木への道中で見つけたカニ

 川に沿って諸木方面へ。ここではまずカニ、続いてヘビ、更にはカマキリと、意外なほど多くの生き物との対面がありました。福川方面からの道が近付き、諸木の集落へ。安楽寺の前には大きなイチョウの木が待ち構えていました。

諸木集落の東端にある安楽寺前のイチョウの大木

 高く上がった太陽に照らされながら坂を上り、峠を越えて旧道へ。木の間から市民センターの屋根が眼下に見えます。小高い場所から腰山の集落を一望し、出発から約2時間半、午前11時半ごろに郵便局前に戻ってきました。歩数計は1万1698歩でした。

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