近鉄桔梗が丘駅前の商業施設「近鉄プラザ桔梗が丘」(名張市桔梗が丘1番町)=写真=1階にテナントを構える食品スーパー「ぎゅーとら」(本社・伊勢市)とドラッグストア「セイムス」(東海セイムス、本社・松阪市)は、いずれも10月末で同施設内の店舗を閉店すると発表した。ぎゅーとらは同市蔵持町里の市武道交流館いきいき前で建設が進む新店舗に移転し、オープンは11月下旬予定としている。
ぎゅーとら名張桔梗が丘店は同市内初の店舗として、2018年9月に開店。同社広報担当によると、当初から蔵持町里にも出店計画があり、2店舗で展開する予定だったが、採算などを考慮し桔梗が丘店の撤退を決めたという。「今後は新店舗を利用してほしい」と話している。
近鉄プラザ 今後は未定
近鉄プラザは1965年に開店した「近商ストア」を前身に、90年オープン。一時期、近鉄百貨店に転換後、2018年3月までにテナントが撤退。建物を所有する近鉄不動産(本社・大阪市)がぎゅーとらなどを誘致し、同年9月にオープンしたが、2年2か月で再びテナントが撤退することになった。
近鉄不動産の担当者は「今後どうなるかは現時点で決まっていない」と話す。道路向かい側にあった子ども用品店も昨秋、同市内の蔵持地区に移転し、跡地は空いたままだ。
近鉄プラザ周辺は60年代の桔梗が丘団地開発当初から暮らす住民が多く、高齢化が進む。桔梗が丘2番町に住む女性(73)は「手軽に歩いて来られるので助かっていた。今度からは、娘に車を運転してもらわないと買い物に行けない。駅前がますます寂しくなっていく」と話した。
桔梗が丘自治連合協議会の大垣孝彦会長(64)は「買い物難民をなんとかしなければ。しっかりとビジョンを立てて桔梗が丘のまちづくりをしていくよう、市に働きかけていきたい」と話した。